2015年12月26・27日、日本橋三井ホールにてライブ『Flora〜冬の庭園〜』が行なわれました。
ステージに下がるオブジェがクリスタルのように輝き、映像と照明による演出が美しいステージの上で、
音楽プロデュースとギター・エレクトロニカの保刈久明さん、バイオリンの藤堂昌彦さん、
そして今回はじめての参加となるハープの吉野友加さんによるサポートで、
研ぎ澄まされた音の世界が繰り広げられました。
こちらでは2日目、27日の様子をレポートいたします!
お気に入りの白いレース生地のワンピースに、ピンクの毛糸で編まれたイスラミックなベール、
という出で立ちで登場したアキノさん。
ベールには花や葉のような飾りが散りばめられていました。
とても神秘的な雰囲気の中、1曲目「エウロパの氷」のピアノ弾き語りからライブが始まります。
そして「冬の庭園へお越しいただき、ありがとうございます」という挨拶。まるでアキノさんが手入れをした庭園に招待されたかのような印象を持ちました。
『ばらの茂み』『月の家』『Siva〜佇む人」と続けて演奏され、藤堂さんが呼び込まれます。
藤堂さんはアキノさんの海外公演にたくさん参加されていて、そんなエピソードが話されました。
ふたりで演奏された『遥かなロンド』。バイオリンの音色で一気に音の奥行きが深まります。
ここでギターを抱えた保刈さんが呼び込まれ、3人での『Fly Me Above』。音の厚みが一層増して、世界が広がります。
そしてお待ちかね、アキノさんも心から楽しみにしていたという吉野さんの登場です。
アキノさんと吉野さんが出会った遊佐未森さんのライブでも演奏された『Lahsa』。
ハープの音色ではじまり、一瞬にしてどこか遠くへ連れて行かれます。
やがてバイオリン、ギターと重なって、赤く彩られた照明の中アキノさんの透明な声が響きます。
この日「Lahasa』を強烈な印象として記憶された方も多かったのではないでしょうか。
『VOICES』『空の青さ』とスケールの大きな曲に続き、坂本真綾さんのトリビュートアルバムに収録されたカバー曲『奇跡の海』。
ステージの前方に紗幕が降りて、その紗幕と奥の壁に映し出される2つの映像により
立体的な風景が作り出されていました。
そして『冬の庭園』。今回のライブタイトルにアキノさんは、一面の花園に冷たい雪が降り注ぐというイメージを持っているとのことでしたが、そのテーマとして作られた曲です。映像の雪が息を呑むような美しさでした。
『New World』アキノさんのライブのイメージキャラクター、ナナちゃんがいくつものドアを開けて走って行く映像が、曲ととても合っていました。
ライブも終盤となり、『Sofia〜白の惑星』で『世界はこんなに美しい』と歌われたあとに
『美しい星』のピアノのイントロが鳴り響いた時は、アキノさんの想いが伝わってくるようでした。
いつもはピアノだけで演奏される『美しい星』ですが、後半から入ってきたギターとバイオリン、そしてハープが、その世界をどこまでも広げて行くようで最高の演奏となり、本編の終了です。
鳴り止まない拍手の中、『Neverland』のイントロと共にアキノさんが再び登場。
『Neverland』は一度ファンクラブイベントで演奏されたことがあるだけの新しい曲です。
そしてアキノさんとVelsipoというユニットを組んでいるはまたけしさんが、2日目だけの特別ゲストとして呼び込まれ、この時点ではまだ発売前のアルバム『Shardora』からタイトル曲が披露されました。
はまさんがピアノを弾かれてメインボーカルを取り、アキノさんはその前に立ってコーラスをしていました。アキノさんのオリジナルとは一味違う、知らない国を旅するような名曲でした。
ふたりのMCでは『Shardora』の誕生秘話などが聞けました。今後の活動も楽しみです。
最後に、アキノさんひとり残って『虹』が歌われ、Flora〜冬の庭園は、閉園となりました。
そのタイトルに相応しい、架空の庭園に迷い込んでしばし夢を見ていたようなライブでした。
※記事は2日目(12月27日)の公演について記述したのものです。